kiss,kiss,...butterfly dei! I see tell 0!!



六道骸は、13年間と少し(とりあえずこの体で)の時間の内、はじめての窮地に陥っていた。
肉体としてはともかく、精神としての死を一瞬想像するほどに、全身が警告を発するくらいの、危機だった。
とつぜん降って沸いた出来事を知覚するまでコンマ一秒、その後にじりよる速度を計ったら、それこそ世界一だったろう。

怯えた硝子玉と、視線が交錯した。


「ひとさら、っ」

つめたい、けれど決して無機質ではない、ソプラノが続きを紡ぐ前に僕はその口を塞ぎに走った。
赤みのさしたふくふくほっぺを両手で挟んで、一気に。
小さな体が飛びすさんでなんとかそれをよけようとする、けれど僕は下から、彼の脇へと手を差し込んで抱き上げた。

「ほぉ〜ら、つなよし君、?だっこですよぉ〜!」
「ちょ、なにして…っ」

ああ、いけない、声が弾む。
顔が緩む。
下から見上げる彼(たぶん)の顔といったら、それはもう嫌そうで、いっそ泣き出しそうなほどだ。
つんつんと跳ねた茶髪は太陽に透けて、普段よりも薄く見えた。
子供用の運動靴の靴底が僕の顔と零距離になった時、僕は確信したのだけれど、そんな事はどうでもいいくらいの歓喜に満ちていた。

「は、な、せっ!」

小さくとも、ぴたりとくっつく冷たい靴底の感触に変わりはない。
あえて言うならば、面積が小さくなったのが少しばかり残念なのだが。

つくづく運のない人間だと思っていたが、これはすばらしい。いったいどこの神様ならこんな最高の贈り物をくれるのかと誰かに問いかけたかったが、時間の無駄だったので、やめた。
とりあえず彼を抱いたままあたりを見回した。その間にも腕の中でもがく彼の抵抗は一向に衰えない。

買い物帰りの奥様方の視線が集中してきた。ヒソヒソと青ざめがちに言葉を交わす彼女達の合間をぬって、急いでそこから立ち去った。
とりあえず、人気のないところを探さなくてはいけない。僕のあたまの中はそれだけでいっぱいだ。

ぐにゃぐにゃとやわらかいからだは、もちろんいつもと違ったけれど、他が何も変わらないので僕は帰って安心する。危機も嬉々へ、一瞬にして変わる。

「このくらいのこどもでも、たつんでしょうかねぇ」


あ、どうしよう、想像したら疼いてきた。









---
やなせさんごめんなさい\(^o^)/
タイトル考えるのに丸々一時間かけました。
まだ納得できません。