一緒に生まれて、それから今までずっと一緒にいたのだから、これからもそれが続くのだと思っていた。
ずっと一緒ね、なんて。
そんな幼い約束でもって小指を繋いだのは、いつだっただろうか。

寂しさに身を寄せ合った夜空で、二人。
いっそ世界に二人きりでもいいとさえ思えたのに。
オレの隣にいま、お前はいないんだな。


***


「ふ、ぁああ…」

「おはよう、お兄ちゃん」

はよ。
短く返事をして、ライはぐるりと室内を見回した。
まだ朝といっても外は薄暗く、室内にはキッチンにしか照明が灯っていなかった。
双子の妹が朝食をしているその場所だけが浮かび上がっているようで、まだ夢心地だ。

「…ん、ギアンどこいった?」

まさかまだ寝てるんじゃなかろうな。
ライはまだ眠気を孕んだ目でたった今降りてきたばかりの階段へ、そして二階の部屋へと視線を送るがそれはすぐに否定された。

「ミントお姉ちゃんのところ、お野菜取りにいってくれてるよ」

フェアは笑って、一度食材を切る手を止める。

「お兄ちゃんは一々ギアンに厳しいよね」

どうして、と小首を傾げる妹に、兄は言うのだ。

「婿に対して厳しくない姑がどこにいる」

憤然として言うライは尚もつらつらと文句を続ける。
やれ掃除が甘いだの、洗い物がなってないだの、言い始めたらキリがない。

「大体これくらい出来ないんじゃ、俺の大事な妹をくれてやる気になんてなれないね」

「お兄ちゃんくらいデキるお婿さんなんて、世界中どこ探したって、いないわよ」


ドサッ

物音が、そう。
入り口あたりでしたけれど、気に…しない。


***


そんなことを言うけれど、結局のところでフェアが手をとるのは、あいつじゃないか。
あいつの寂しさなんて、もうとっくにどこかへ行ってしまっていて、オレばかりがあの約束にこだわってる。

あの日の指きりは、上から消されてしまった。
あいつの小指の先は今、別の男とつながってる。

それが、悔しい。


あかい、いと、なんて。

いっそ、ブッチ切って、しまいたい。


それでも、あいつが笑うから。


結局オレは、今日もつまらない愚痴をこぼし続ける。
















憎いあかいろ