空を彩るもの




太陽


















大気が揺れる























大地に両の足をつけ、ゆっくりと踏みしめる







望んだのは、この世界の平安だった



























フワリ、と風に溶けていた体がゆっくりと形を成す。
短めの髪が風にそよいだ。
手袋を嵌めた手でめんどくさそうに髪を掻き揚げて、小さくあくびをした。





「良い天気だのぅ」





嫌になるくらい、良い天気。
雲ひとつ無い空を見上げて、大きく背伸びをする。
そのまま倒れこむように草原に寝転んだ。



次は何処に行こうか?



特に悩むことでも無かろうに、考えてしまう自分が恨めしい。
鼻歌交じりに昔仲間と歩いた土地に思いを馳せる。
こうして一人で居ることが不思議なくらい、あの頃は自分の周りに人が溢れていた。


















ヒトらしさがあふれていた。























一人が寂しい訳じゃない。
自ら離れていった。
一度は消えかかったこの体を再構築した母に感謝はしているが、昔のように暮らす気は無かった。
始祖たる己が人の世界の脅威となることを恐れた。
だから、逃げた。










風に合わせて紡ぐ詩。











考えていることとは裏腹に、口をついて出る詩の音階はどこか寂し気で余計に悲しくなった。
逃げて、逃げて、逃げて。
いつかはきっと追いかけることすらしなくなるだろう。
だって、自分を慕うものたちは、自分が孤独を感じていることなんて知らないから。
時は流れて、きっと彼らは自分を忘れるだろうから。
そうなればきっと、もう追いかけては来ないだろう。

いつかきっと、自分を覚えている者なんて居なくなる。




























訪れるのは『本当の孤独』


































「寂しいのなら素直に仰ったら如何です?」



























息をすることすら、忘れた。



























「やっと見つけましたよ。師叔」




















目がくらむほどの青










懐かしい声










本当は、ずっと逢いたかった
















「ッ楊ゼン!!!!!!!!!!」

















居場所はここにある