あるうららかな昼下がりのこと。
毎度のごとくフランク○ルトのとある屋敷には尋常でない爆音が響き渡っていた。
しかし、周りにソレを気にする人など皆無である。
「いやだああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!」
痛ましいほどの悲鳴も消えるほどに高速で移動するデーデマン家使用人B。
目をひんむきながら全速力で長い廊下を疾走し、目指すは厨房。
背後に冷たい空気をひしひしと感じながら、しかし決して振り向くものかと彼は自分に言い聞かせた。
半ば暗示のように、むしろ呪いのように。
・・・・と、希望・・・・もとい厨房まであと5mといったところで、彼は急ブレーキをかけた。
あまりの勢いにつんのめりそうになるのを必至に堪え、Bは目的の部屋のドアを勢い良く開いた。
「ディビッドさーーーーーーーーーーん!!!!!!!!!!!!」
だきっ
デーデマン家心のオアシス。
Bの数少ない心の拠り所、癒し系コックディビッドはいつも道理にそこにいて夕食の下ごしらえをしているはず・・・だったが。
Bは、なぜか全身に冷や汗を掻きながらひしひしと感じる黒いオーラに戦慄した。
『ソレ』は、
「イキナリ逃げるならともかく・・・・あんな悲鳴をあげられちゃあ・・・・・ねぇ?」
ソレは・・・・・Bの抱きついたモトから発せられていたのだった。
しかしBはもう悲鳴もでない・・・・というか出せない。
キラキラとした微笑を顔に浮かべ、腰辺りにひっついたBをの服をしっかりと握る瘴気のモトは完全に固まったBを引き摺り、自らの屋敷へと戻っていったという・・・
・・・まる・・・・っと」
「あれっ?ディビッドさん、Bのやつ知りません?」
「・・・・・・・・さあ?」
デーデマン家使用人教訓@
お向かいさんには逆らうな
「・・・・・・・・・実はB君が悲鳴をあげなかったのには深い訳が」
「え?」
END?