その時の部屋の様子を表すなら、そう・・・・・・・死屍累々とでも言っておこうか。
朝日がカーテンから少しだけ差す部屋は薄暗いが、なぜだか部屋の様子はしっかりとわかる。
ティーセットや書類が散乱し、死んだように倒れこむ人、人、人。


そして部屋の中央で微動だにせず、自分とは目線のあいにくい位置にいるソレを凝視している夜神月。
顔には脂汗が浮き、硬直したまま沈黙を守っている・・・が。
沈黙によって保たれていた均衡はあっさりと崩された。







「驚きましたね・・・・人って縮むんですね」



「っなわけないだろう!?」




















ちまっこいの


























見た目は子供、頭脳は大人・・・・と某名探偵程ではないが縮んでしまった竜崎。
身長はだいたい140cm程度だろう。
全国平均によると十歳くらい。
竜崎の日年齢は明かされていないが、どう考えても十代初頭ではない。



「・・・・・・・・お前、本当に竜崎か?」



「イヤですね、毎日顔を合わせておいてそれはないでしょう」




この微妙にムカつく話し方は間違いなく竜崎だ。
しかしつい数時間前までは確かに『普通』の状態だった。
それがなぜこんな事に・・・・・・。

月は考えた。
大学の試験でもここまで真剣に思考を働かせることは無かった。





「・・・・・・・・・・・」




「・・・・・・・・・・・・・・・・」




竜崎と同じ目線まで屈んで、じ―――――――っと眺める。
原因はなんだ。
一体いつ、どうやって。






「・・・・・・・・・・・・・」




「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」





「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」




「・・・・あの、そんなに見つめられると照れるんですが」






頬染め、少し俯きがちに言う。
ミーハーな女の子なら、キャー可愛いィ!!!
とか言いそうな物だが、中身を知っている月にしてみれば・・・・・。








キモチワルイ・・・・・・・










「そ・・・・そういう問題でしょうか」



「おや、松田さん。復活なさったんですか?」



まるでゾンビか敗走兵のように匍匐全身でにじり寄って来る松田の顔は紙のように白い。
幽霊でも見たような顔だが、いっそ幽霊の方がマシというものである。





「暢気に倒れている場合ではないでしょう・・・・」




ハア、と大きなため息をつくが意外と肝が据わっているらしい。
暢気にまだ倒れている二人は意識も無い。
そのまま倒れていた方が楽な気もするが、そこが彼の長所で短所だ。




「(苦労性め・・・・・・・・)」




神(予定)の自分が無様に地に伏すのはとてつもなくイヤで、根性で立っていた月は心の中で松田に同情した。





「私、これからどうしたらいいんでしょうか」



「そ、そうですよ!竜崎がこんなんじゃ捜査が進みません!!!」



松田はワタワタと意味もなく騒ぎ始めるが、何処か論点が違う気がする。
原因の追求は彼等の頭には存在しないらしい。



































「・・・・・・・・・・・・・もうどうでもいいよ」



















負けるな月!
世界は君のものだ!(謎)
上司に恵まれなかったらオージン●だ!!!

こうして、ちまっこい竜崎の生活は始まった。