望んだ結果だった。
『本当にそうだったのか?』
問われても、答えられなかった。
冬の終わりに、Lは死んだ。
この手で、殺した。
もう誰も自分を止めることは出来ない。
世界各国の頭達も、混乱と恐怖で次々とメディアから姿を消し始めた。
日に日に増えていくキラによる制裁に、人々は怯えた。
犯罪を犯すものなど、もはや居ないと言っても過言ではなかった。
「殺される・・・・キラに殺される!!」
笑ってしまうくらい小さな咎。
それでも人々は姿のない神に怯え、贖罪を乞う。
世界は混沌として、闇の帳が下りた。
春でも、夏でも、秋でも、冬でも。
朝、昼、晩、時間を問わず死んでいく人。
この冬の空のように寒々しく、乾いた風が世界中に吹いた。
世界の総人口は統計でも明らかに、減っていった。
錆びた遊具で遊ぶ子供達だけが太陽のように輝いていた。
それでも母親達は何かに怯えたように、子供達に罪を犯すことの恐ろしさを自分の子に説いた。
怯えるのは、何か身に覚えがあるからだろう?
人目につかない大きな木に身を隠す。
口元に、笑み。
ポケットから小さく折った紙切れとペンを取り出して、文字を綴る。
(1・・・・2、3・・・・・・)
腕時計を見ながら、心の中でカウントする。
(・・・・・・・・10)
バタリ、と泣いている子供をあやしていた母親が地に伏した。
公園の砂場の城の上に倒れて、砂の城がサラサラを音を立てて崩れた。
悲鳴、子供の泣き声。
『おい、ライト』
「僕をブギーマンの代わりにするとはね、世も末か」
『実質ブギーマンよりも脅威だろう?』
「そういう存在なんだ、僕は」
『死神・・・・・・』
あいつが口にした最後の言葉。
神は神でも死を司るソレは人にとって恐れの対象にしかなり得なかった。
『まあ、リンゴ喰えればいいけど』
「ああ、今日の分がまだだったか」
真の望みはなんだったのか。
あいつを殺したあの日から、目的なんて忘れてた。
殺す
睡眠摂取
食事
殺す
殺す
殺す
食事
殺す
殺す
殺す
食事
殺す
睡眠摂取
殺す
殺す
殺す
・
・
・
・
・
灰色の空を見上げ、大声で笑った。