傍に感じる体温が好き。



「あつい」


「そーですねー」



例え夏だろうが冬だろうが、暑かろうが寒かろうがお構いなし。
後ろから抱き付いて、肩に顎を乗せて両手を腰に回してぴったりくっつく。
服越しに感じる体温は酷く落ち着く。
とても気持ちが良くて、そのまま眠ってしまいそうになった。




「オイ、起きてるか?」



ぴったりくっついているから、喋ると小さな振動が背中を伝ってピリピリする。



「寝ちゃいそう、ですねぇ・・・」



穏やかな春の午後、お腹も満たされてぼーっとしているときに似ている。
そんな心地よさ。
眠気誘われる心地、自然と瞼が下りてきてだんだんとその欲求に抗えなくなる。




「・・・このまま寝るなよ」



あまり強く諌めないのは、彼も同じ気持ちでいてくれるからだったら嬉しい。
ひっつくのも、ひっつかれるのも気持ちがいいことだと思う。






「充電中、ですから」


「勝手にしろ・・・」




けっきょく傍にいてくれることを許してくれちゃうんだから。
だからどこまでも増長するのに。
そこのところを、本当に分かっていない。



もう一生充電中でいい。