2・オレンジジュース


オレンジ色。

アタシにとっては、あのこだけの色。



「なー、店長ー」



グラスの中のオレンジ色が揺れる。
正確には、違う色だけどその色は彼を思い出させた。


「飲むならさっさと飲めって・・・」


こんなものからでも連想してしまう。
そこからはただただ連鎖的にいろいろなことを思い出す。
素直じゃないところとか、真っ赤になってうつむいているところとか、思い出すときりがない。

あいにいきたいな。
はなしがしたいな。


「てんちょ・・・」


「ちょっと出かけて来ます」


思い立っ
たが吉日、とか言ってみたり。

ここ数日毎日オレンジジュースが卓袱台の上に乗っているから、毎日会って、毎日話しているけども。
更に言うならそれの自分でテッサイに出させるように言っている。
なんというか、アレだね。


理由が欲しいだけなんだよね。