時折、思うのは。
あの生気に満ちた子供の顔を、苦痛でぐしゃぐしゃにしてしまいとか。
そんな事。
夢に見るほど、切望していたとはつい先程まで自分でも知らなかった。
そもそも夢なんてもう久しく見ていないと言うのに。
つい先程まで、顔を合わせて会話していた人物に対してなんてことを考えているのだろう。
それでも、短い夢の中で見たのは
「・・・・・・・最低」
自嘲して、引きつった笑みを浮かべた。
明日、彼に会ったらちゃんと誤魔化せるだろうか。
隠せるだろうか、この欲を、望みを。
それは本当の望みなのだろうか。
己が剣を振るい、肉を裂き、温かな血を浴びたいのか。
彼を、殺したいのか。
愛しいからと抱きしめた腕で、彼を殺したいのか。
コレが愛の形だと言うなら、何て傲慢。
「愛してるのに」
何よりも。
けれど、彼を傷つけたいと思う心も、きっと本当。