おねがい





「ジェイド、好きだよ」

「はい」

「ジェイドが好き、いちばん好きだ」

「私もですよ、ルーク」

「ジェイドが居れば何もいらない」

「おや、随分と欲のないことで」

くすくす、笑う声が遠い。

「だから、だから、ねぇだから」

服を掴む、強く掴む。


「どうしたんですかルーク」

温かい手が、頬に触れる。

「置いていかないで」

「ここに居ますよ」

「一人にしないで」

「大丈夫ですから」

温かい、あたたかい、あたたかいのに。
どうして、こんなに遠い?

なぁ、ジェイド。ここに居るんだろ?

笑っているのに、返事をくれない。