出逢ったのが自分達で無かったとしても



「なあ」

 ベッドの上で、ルークは力の入らない身体をゆっくりと起こした。

「どうしました」

 目を閉じようとしていたジェイドが、再びまぶたを上げた。

「もしも、こうしてるのが俺達じゃなかったらどうする?」

 その言葉に、ジェイドは目を細めた。
 
「……質問の意味がよく分かりませんが」
「だからさ。俺が俺じゃなくて、お前がお前じゃなかったらさ。それでも、俺達こうなってたかなって」

 ジェイドは溜息をつくとルークを抱き寄せた。
 裸の肌が触れ合う。
 
「馬鹿ですねえ。そんなこと考えてどうするんですか」
「別に。ただ、ちょっと……思っただけだ」

 こうして出会って愛し合って。それは、自分とジェイドだからで。
 だけれど、もしこうして出会ったのが今の自分達でなかったとしても。

「俺……それでも、お前を好きになれればいいと思う」
「それは、生まれ変わりか何かですか?」
「んー……そんなもん?」
「そうですねえ……」

 ジェイドは考えるような表情をした。

「私は生まれ変わりには興味はありませんが」
「……だと思ったけどさ」
「ですが、またあなたに会えるならそれもいいかもしれません」

 そう言った顔を見上げると、ジェイドは穏やかに微笑んでいて。

「けど、もう俺じゃないんだぞ?」
「私も私ではありませんね」
「それでも?」
「ええ、それでも」

 額に口付けられる。

「でも、一番いいのはこのままずっと添い遂げることですね」

 にっこりと、そんなことを言うから。

「俺も……その方がいい」

 微笑んで、その胸に顔を埋めた