〜萌茶にて、コネタの最中に会話に登場した数行文章〜
THE加筆の嵐


親指姫


ころころと机の上で転がる小さい生き物が、どうしようもなく可愛らしすぎるのがいけない。
人差し指でくりくりと撫でてやるとくすぐったそうに身をよじる。

「きゃははは!ちょ、っくすぐった・・・!」

・・・手を出したら、犯罪、だろうか・・・。
可愛いと、不覚にも思ったその瞬間が命取り。
指先に触れるその小さな生き物が、自分の名前を呼ぶ。

「ジェイド!くすぐったい!」

・・・ああちくしょう、可愛すぎるのがわるい。
私は、絶対悪くない。
・・・・はずだ。




→親指姫。お風呂はもちろんマグカップですが何か。ちょっとだけ加筆しました。

ロイルク


「ず、るい!!」
「え、何が?」

聞き返す声にすら、少々の嫉妬。見下ろす視線がとても憎い。

「・・・身長、絶対すぐ追い抜いてやるからな!」

幼顔のくせに、幼顔のくせに!自分より身長が高いのが気に入らない。

「ルークにはまだまだムリだと思うけどな〜」
「〜、っ!馬鹿ロイド!」

同い年で、自分よりもちょっとだけ身長が高くて。

「まぁ、気長に待ってるよ。頑張って牛乳飲め!」

「・・・・それはヤだ」

同い年なのに年上ぶるロイドはむかつくけど。

すき。


→ルークへの愛は世界をも超えます。ちょっとだけ加筆しました。

ディスルク


火は、苦手だ
なんか、赤いし。熱いし。
雪国生まれだけど、暖かいのが好きなわけじゃ決してない。
むしろ苦手なほうなんだ、と今思った。
それはとっさの言い訳かもしれない、でも苦手だ。

「なんだ、ディストじゃん」

この、お日様な頭の子供は苦手だ。
暖かすぎて、遠すぎる。

「またジェイドにいじめられたのか?」
「・・・・うるさい」

遠すぎて、言葉すらまともに生まれない。

「元気だせって」

分かったような口を利くな、そばによるな。
頼むから、これ以上かき乱さないで。

「お前に、何が分かる!」

分かるはずない、そんなことありえない!
こんな子供が好きだってこと、今の今まで自分でも分からなかったのに!

わかりたくなんて、なかったのに。


→実はとても好きです、マイナーだけど。ちょっとだけ加筆しました。

ガイルク


たどたどしい言葉すら、愛おしかった。
愛おしくて、愛おしくて、憎かった。

「が、い・・・」

ああ、ちがう。こんな生き物を自分はしらない。
その小さな両手をいっぱいに開いて自分を求める、笑って、駆け寄って、縋るだなんて。
なんて愛おしい、なんて、なんて。
名前を呼ばれるたびに、頭を揺さぶられる。
憎いと、思わなければ胸が締め付けられてたまらない。
愛おしいから、憎まなければ。

そう言い聞かせなかったら、今すぐこの子供を抱きしめてしまいそうだったから。


→ガイルクはじめて書いた、うちのサイトガイ様いないよね・・・。一行足しました。

ヴァンルク


ささやきがする、声がする。

遠くで、呼ぶ声がする。
深い眠りのその奥で、誰かが自分の名前を呼んでいた。
世界はただ真っ暗で、自分の姿を見ることもかなわない。
寒くて、暗くて、怖かった。
俺は声を頼りに走り出す。
呼ぶ声を、求めて。


『お ろ か な、 レ プ リ カ ル − ク』 


声が、呼んでる。こっちへおいでと、とても優しい声がする。



→初ヴァンルク。

ピオルク


にゃあ、。
それがあまりにも愛らしく誘う声なので、思わず振り返る。
そこに居たのは、あの子と同じ夕焼け色の綺麗な毛並みのネコだった。
「にゃ、あぁ」
すりよってくる体は暖かい、ぬくもり。

「・・・ルーク、また城に遊びにこねぇかなー」

寂しい、とは口に出しずらい年だと理解してはくれないものか。



→うちのグランコクマ組みはどうにも乙女攻めで仕方ない。


クラルク


ふ、わ。
風の匂いが僅かに変わったことに気づいて窓を開けた。
誘われるように、月が笑う。
窓の縁に腰掛けて、静かな夜に身を浸した。
たまには、一人で静かな夜を過ごすのもいいかもしれない、なんて。

「え・・・」

らしくもないことをしたからだろうか、なんだかよくない夢でも見ているようだ。
夜の闇に透ける、透明な羽。
きれい、だ。

「ああ、驚かせたか。すまない」

綺麗な鳶色が、視界一杯に広がる。

天使が、夜に舞い降りた。



→ルークへの愛は世界をも超えますその2。

吸血鬼


さあ、夜だ。
黎明は遥か遠く、闇の帳は下りた。
我らのとき、我らの世界がやってきた。同胞よ、奪え、狩りつくせ、欲望の限りを尽くせ。
夜の宴はまだ始まったばかり、己が力の限り、支配しろ。

「人の命とは、脆いものですね・・・」

腕の中でくたり、と力なく倒れる人間はただの餌だ。
人間、血液の入ったモノくらいの認識しかない。

「っ、あ・・・!」

目の前の、この幼い子供ももうすぐ自分に殺される運命なのだ。
恐怖に怯える顔は白く、その様は美しくすらある。

「こ、ないで・・・!」

太陽のような赤い髪は、血のようでもあるのだと思いながら手を伸ばした。
太陽この身が触れたとき、どうなるかも分からずに。



→吸血鬼ジェイド×人間ルーク。

父ルク


いつか死ぬ子共なのだ、そう思わなければ重圧に押しつぶされて死んでしまいそうになった。
この腕に抱いたことは、おそらく数えるほどしかないだろう。
この、自分の子を抱いたことなど。
いずれは死ぬのだ、ろくな世界を知らぬうちに、この子供は死ぬのだ。体も、
記憶も、届かない死の世界へ。

「ちちうえ、・・・」

呼ぶな、呼ばないでくれ。
人でなしの心など知らない、ただ無垢な目を向けないでくれ。
その笑顔を、自分に向けてくれるなと願いたかった。
抱きしめて離したくはないのに、我がいとし子よ。

どうか、お前を殺す私を許してくれ。




→多分この時皆壊れてた。





おしまい