あたたかい褐色の肌

 四国は、暑い。
暑いのは得意ではないのだが(かといって寒いのが得手というわけでもない)、暑すぎるのはなおさらだ。
四国は、暑すぎる。


「ならくるな、そして引っ付くな」

「いやでござる」


戦でならともかく、普段からこんな暑いところにはなるべくいたくないものである。
同じ日本国の中で、こうも気候に違いがあると始めて知ったのはいつの頃だったか。
実際に体感したのは、ごく最近であるのだが。


「元親殿は、なんだかお館に雰囲気が似ていておちつくのでござるよ」

「・・・・・・うれしくねぇ」


じりじりと痛いような太陽で焼けたほどよく焼けた肌はあつい。
体温の高い自分がひっつけばなおあつい。

それでも、離れがたいのはなぜだろう。